将来の目標は「コタツのある特養をつくること!」

介護職員山崎 幹人
僕の「夢」ががらりと変わった瞬間

そのときふと、お母さんから「介護福祉士になったらいいんじゃない?」と何気ない一言がありました。これが、介護福祉士を意識し始めたきっかけでした。その後、介護が題材のドラマを見て介護福祉士への思いが徐々に高まってきました。そして 17 歳の頃、教師になりたいという夢から介護福祉士になりたいという夢へと変わっていきました。
働くしんどさを痛感。心の支えになったのは、田村さん
誰かが亡くなる経験をすることがほとんどなく、気分が落ちてしまうことがありました。
精神的にしんどかったときにとても支えになったのは、事業管理者の田村さんです。実は、僕があそか苑で実習をしていたときの担当が田村さんでした。そのときも面倒を見てくれたのですが、あそか苑に入職してからも「いま悩んでいることない?」と僕を見かける度にいつも話しかけてくれました。精神的にしんどかったとき、悩みを打ち明けました。「最近〇〇さんが僕の介助を拒否するので悩んでいます」「〇〇さんが亡くなってどう気持ちを切り替えたらいいのか分からないです」と悩みというよりかしんどさの吐露に近い相談をしました。「こうしたらいいよ」と率直でわかりやすいアドバイスをしていただき、田村さんに相談しているうちに気持ちの切り替えができました。「たとえ嫌われていても、その人と関わっているうちに受け入れてくれるようになるよ」。これは、特に印象に残ったアドバイスです。このアドバイスを受け、その人に受け入れられるにはどのようにしたらいいのだろうかと考えました。身だしなみをきちんとする女性の方なので、髪の毛が乱れないように、髪を整えヘアバンドをするということを僕の日課にしました。その日課を行い、その人と関わっているうちに心を開いてくれ、最初のときと比べて普通に接してくれるようになりました。
ナースコールが鳴らない理由

介護職員が今してほしいことが利用者の気分と合わないときはその人の意思を尊重するような声掛けを心掛けています。職員の都合だけを押し付けて介助をすると利用者に抵抗されることもあり重大な怪我を引き起こすかもしれないので、その人自身がやりたいと思うことを大切にし、利用者の生活リズムに合わせています。
関係をもっとつくっていき、1 人ひとりの負担を減らしたい
排泄介助を遅番 1 人で行うことがあります。その状況だと身体的・精神的にも負担が大きく、怪我や事故につながってしまうかもしれません。2 人で排泄介助を行えば、お互いの負担が減るし、短時間でたくさんの利用者と関わることができます。2 人で排泄介助を行うべきだと思いますが、経験が少ない未熟な人に何か言われても説得力に欠けると思うので、これからもっと自分を高めていくとともに周りの方々と人間関係を築いていきたいです。
将来の目標は「コタツのある特養をつくること!」

僕はあそか苑の常識を変えていきたい。あそか苑は 20 年以上続いています。その積み重ねのなかでつくられた考え方には、いまの時代には合わないところがあると思います。いままでの考えの良い部分は残しつつ新しい考えを浸透していかないと、他の施設から取り残されてしまいます。
また、あそか苑には目に見えないマニュアルがあると思います。新人で入職した人はベテラン職員が教えるマニュアルをすべて信用してしまい、いまの時代にはそぐわない考えを正しいと思ってしまうかもしれません。職員 1 人ひとりが今までの考えを「なくす」のではなく「新たなことを取り入れていく」スタンスを持つことが、新しいあそか苑をつくっていくきっかけになります。
施設や法人がより良くなるアクションをおこない続けることが、働いている職員がより気持ちよく働く空気づくりにつながると思います。気持ちよく働くことができれば、職員は幸せになります。職員が幸せになることが、利用者が心地よく過ごすことにつながり、利用者を幸せにしていくのだと思います。それは遠回りのようで、一番の近道かもしれません。だからこそ、新しいことに挑戦し続けるこころを持っている人と働きたいです。